温泉の歴史〜温泉解説〜

温泉の歴史 -日本-

「古事記」や「日本書紀」には温泉のことが記されていて、各地で様々な人が記した「風土記」にも温泉の記述が見られる。
これらから、最古の温泉として「伊予の湯」=愛媛県・道後温泉、「牟婁の湯」=和歌山県・白浜温泉、「有間の湯」=兵庫県・有馬温泉が「日本三古湯」と呼ばれている。

平安時代に書かれた「万葉集」にも多くの温泉地が登場し、神奈川県・湯河原温泉や長野県・上山田温泉など、東日本の温泉も利用されていることが分かる。

また温泉は、神聖なものとされ和歌山県・湯峰温泉などでは熊野詣での際に立ち寄り、温泉に浸かって身を清めたと伝えられている。温泉によって病気が良くなったりしたことから、非常に神聖なものとして崇められていたのである。

戦国時代には、負傷した兵の治療用に活用され、江戸期には、庶民がバケーションとして温泉へ湯治がてら旅行したようだ。

江戸時代には、この湯治を行うための著書を中心とした案内本まで出るなど、温泉が一般人にもメジャーなものとなった。
その頃の温泉は、武士の中でも位の高い人が入る温泉と、それ以外の人が入る温泉を分けていたのも特徴的である。

近世にもその風習は残っており、明治や大正、昭和初期には、激しい農業に従事する人々が、農繁期が終わって近くの温泉地に湯治をするため長期にわたって集団で滞在する風習が普通にあった。

この湯治の文化とともに、湯治風俗が生まれたのもこのころで、それぞれの温泉に適した入浴方法が各地で考え出された。今でこそ一般的な、打たせ湯や砂湯などはその当時の湯治風俗により考え出された入浴方法である。

明治時代以降には、温泉がなぜ人間の体にいいのか科学的に研究されるようになり、昭和時代以降にはその研究が実証されることとなる。実証結果が世間に発表されることで、さらに大衆にも温泉の知名度が上がり、利用者が増えることとなる。

この時代までは、すべて自然湧出の温泉だったのが特徴で湯に浸かると同時に、飲んでいた。
それが普通のことだったのである。

さらには、飲泉だけにとどまらず、温泉でおかゆを煮たりなど料理に使って食べている。
まさに、温泉を体の内と外からフルに使って効能を体感していたのだ。

近世は、ご存知の通りで温泉ブームに乗って掘削してポンプアップした湯が主流になっている。
それでも温泉が足らずに循環するが清掃不足の施設では、本来自然の温泉には存在しないレジオネラ菌が発生する事態となっている。

死者も出て、問題化しているのが現状であり、そんな温泉は、当然飲めないし飲んではいけない。

本当にいい温泉とは、昔から自然に湧き出ている湯。そんな薬湯といわれる湯を守る温泉宿がまだ全国に点在しており各地から病に悩む湯治客が訪れている。

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温泉の歴史 -海外-

外国では、古代ギリシャやローマ時代、つまり、今から3000〜4000年くらい前から温泉は利用されていた記録がある。

特に古代ローマ人は温泉が好きだったようで、212年から216年にかけて、カラカラ帝の治世に造営された「カラカラ浴場」のような巨大な施設をいくつも作っている。
その遺跡を調べると、「冷室」「温室」「熱室」と温度の違う浴槽が設置され、ジムさえあった。人びとは、まず運動場で汗を流したあと、複数の浴室を巡る循環入浴で長時間を過ごしたようだ。

例えれば、今の日本でいう「日帰り温泉施設」に近いものだろうか。

その古代ローマ人が領土を拡張するにつれ、ヨーロッパ各地に温泉入浴が広まっていったと考えられる。ローマ人が残した入浴施設は、中世になると庶民の憩いの場となり、入浴は飲食や音曲とならぶ楽しみのひとつとなった。

近世になると、今度は温泉の効能が注目され、医療として見直され始めた。つまり、温泉は自然の治療薬というわけだ。

現代において、海外の温泉は入浴というよりは、薬として認知されている。
温泉は入浴よりも飲泉するものとして使用されるのが一般的なところも日本と大きく違う。

日本では、昔の湯治場として栄えた温泉も今では娯楽やレジャーという要素が強くなっている。
反対に、ヨーロッパではあくまでも治療やリハビリのための湯治場という考えが強い。
ヨーロッパでの温泉療養は、医療行為として認められ、保険も適用されているのである。
その温泉地で、医師の指示に従って一定量の鉱泉水を飲んだり、決められた時間だけ湯に浸かりシャワーを浴びながらマッサージを受けたりする。

温泉の力を最大限に健康に役立てているのは、もしかしたら海外なのかもしれない。

また、こうした経緯から日本のように入浴する際、裸で入らずに水着を着用するのも海外の温泉施設ならではのことだろう。
日本人が海外の温泉施設を利用し、水着を着用しなかったために問題を起こすこともあるので気をつけなければならない。

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